✨第一章✨春、晴れ、桜。

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龍子はぷぅっと頬を膨らませた。 「眼鏡好きか?」 「クールビューティだからね。」 にっこりしながら返事をした。 「ほほぅ?すると貴様、俺の目を目潰し攻撃したのはそれか?」 ゴゴゴゴと恨みを込めて、荘太郎は龍子をにらんだ。 「やっだぁ、荘ちゃんのい、じ、わ、る♥」 「キモイは!あの時の恨み!!」 ガチャガチャガターンバリーン 二人は走り回って喧嘩を始めた。 「はぁ…」 元気過ぎる…ついていけない…ふぅ。 梨美は騒がしさで、肩を落とし、うなだれた。 バンッ! 唐突に扉が開け放たれたので、3人はビックリして、固まってしまった。 そこに立って居たのは、艶やかな腰まで伸びる長い黒髪、小さな口に整った顔だち。という、めったにお目にかかれない美人だ。 カッ、カッ、カッ、カッ、カッ、カッ。 彼女はゆっくりと、梨美のもとに近付いた。 「貴方が新しい秘書?」 部屋に響く澄んだ声だ。しかし、その声とは裏腹に、彼女の表情は怒りに近かい感情に満ちていた。 「……え、あ、私は…」 「そうですよ、伊集院先輩。俺専属です。」 いやいや、認めてないし、聞いてないよ…。 否定しようと思ったが、龍子に肯定されてしまった。
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