1 春の訪れ

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あっ、私、この歌知ってる! これは小鳥な歌声。春を慶ぶ幸せの歌。 はこべに聞いた訳ではないのに、私 知っている。いえ、覚えている。 そっか。眠っているときにずっと夢のなかで聞いていたんだ。 夢の中でいつも声がした 『たんぽぽは 根や種がひとつだけ、思いを守るの。 ひとつの思いだけ 次の花へ残すのよ』 大好きだったのね、慶びの歌が。 私も好きだな。 太陽の陽射しをうけて、周りの草花とともに、私も大きく美しい空を仰いだ。
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