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まだ正常だと思わなければ。
思い込まなければ……。
この先も続く戦禍を切り抜けることなど、出来やしないのだから。
あぁでも、笑うべきではないと分かっていても、『あれ』がもうすぐ始まるのかと思うと、ヒロトは笑いを抑えられそうになかった。
三体の遺体に向けて口元が孤を描いてしまったのは、彼等が他の隊員よりマシな死に方をしたのかもしれない。
そう思ってしまったから。
彼等はこれから起こる『あれ』を……地獄を見ずに、いや体感せずに、この戦場からリタイア出来て、何て運がいいのだろうと。
「歌唱開始まで後少しか……」
呟き、肩の力を抜く。
もう直ぐ『あれ』が……歌が始まる――
(五……)
四
三
ニ
一……。
{{Linkia-Stoa:telvis-Gaistoria=solmeshia 2gotammyusya.
血塗られた街に
飛び交う欲念
血を纏い光る刃
猛爆に散る花
また一つ
更に一つ
天に立つ英魂}}
突如、響き渡り出した歌声。
女性の様な繊細な歌声と思いきや、男性の様に力強い声で奏でられる、不思議な旋律。
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