招待状Ⅰ 第2 知らぬ土地

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チーズとにらめっこをしているヒューを横目に 雫は本を手に取り、一ページ目を開いてみた。 ーーーー ー名無しの本ー これは、雫様が奏でる音に意味を付加するものです。 歌でも結構です。 それらを記憶し記録し その意味を雫様の思いを付加します。 効果を直接記入してくれても結構です。 本について分からない事が出てきましたら 最後のページの記入欄にお書きください。 追記 この本は指輪に収納が可能になっております。 収納と念じればいいです。 出したい時には この本の名前を呼んでください。 この本に名前はないので、雫様がお付けください。 ーーーーーー 「永久の音」 「なんだい?それは。」 「この本の名前です。」 ガリガリと金のチーズを食べているヒューに雫が答える。 「よく、食べれますね」 「見た目からは想像できない美味しさだよ。 雫もどうだい?」 「いりません。」 そうかい。と呟きヒューはガリガリと食べることを再会しはじめた。 雫はそんなヒューを見て 音を紡ぐ 「~~♪~♪」 音を紡ぎながら雫は思う ひとときの穏やかさを繋げるように ヒューの食べ終わるまで音を流れ 木のせせらぎや風の音 木々の間から漏れる光に照らされる雫 幻想的な空間がそこには出来ていた。 「ごちそうさま。いつもの曲だね。」 「はい。」 「不思議といつも以上に穏やかな気持ちになったよ。 チーズも美味しかったしね。」 「それは、よかったです。」 突然、黒い本が光り ページが勝手に捲れる 開かれた白紙のページに文字が浮かびあがり始めた。
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