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「お前の時代では、俺は有名なのか?」
俺は神崎に尋ねた。
「はい、とても有名ですよ。新撰組自体は有名ですけど、私は斎藤さんの生き方が好きなんです。」
「俺の生き方?」
「はい、斎藤一という人の生き方が好きです。詳しくは言えませんけどね」
えへへ、と彼女は花のように愛らしく笑う。
俺の生き方が好き?俺はちゃんと組のためになれるのか?
★★★★
「わぁ、ここが京の町!?すごい!!」
「そうか……。楽しいならいい。」
しばらく歩くと、
「ここだ。」
「…綺麗な着物がいっぱい…。」
「二着は買って来いと言われたから好きなものを選ぶといい。」
「はい。」
一着は紫色と決めていた。紫色の生地に桜があしらわれた着物を選ぶ。
そんなに高くなさそうだし…。あともう一着は……。
「斎藤さん、一着はこれにします。もう一着は、斎藤さんに選んでほしいです!」
「俺にか?」
「はい!」
神崎は嬉しそうに笑う。
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