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暖かな陽気、頬を撫でる爽やかな風、4月――――新たな出会いの季節。俺こと鉄司闇(くろがねしおん)は新たな出会いに胸を高鳴らせ……る事もなく普通に学校へと登校していた。何故なら――――
「おい、鉄だぜ。」
「あいつまだ居たのかよ…」
「【スキル】の無い無能のくせに。」
と、この様に俺には人類全てが持っている超能力【スキル】が発現しなかったのだ。なので周りからは嫌われている。別に悪さとかした訳じゃないのにねぇ。まぁ、俺自身は特に気にしていないのだが。
さて、俺がこれから行くであろう学校について説明しよう。名称を“国立セント・ロウ学園”という、世界的正義の公的機関【セイント・ロウ】が出資する正義の味方育成機関だ。敷地面積は約50000㎡あり、その昔日本にあった東京ドームとやらより少し大きいくらいだ。生徒数は12000人程でこの学校の卒業生には世界に名だたるヒーローが多数存在する。
この世界には超能力と言うものが存在する。百年くらい前にどっかの学者が人間の脳に隠された力を発見し、それを世界的に広めた事によってこの世界は今や超能力【スキル】を中心に回っている。すごい能力を持つ者はモテるし尊敬され就職にも強い、まさに人生バラ色だ。逆に言えば俺みたいなやつには肩身の狭い世界だ。もしタイムマシンがあるならその学者のところに行って撲殺してやりたいね。まぁ、無理だけど…因みに、その学者は世界的有名人となり現在は死んでる。存命なら俺は今頃ry…
まぁ、友達が少ないだけでいないわけじゃないし、就職先だってえりごみしなければ幾らでも有る。それほど気にすることでも無い―――――
そうこう言っているうちに学園に到着だ、特に問題もなく自分の教室へ。
「おはよう、司闇!!」
俺が席に着くと横から万人が爽やかと感想を抱くであろう声が聞こえてくる。
「おはようさん、陽ノ本君…」
俺に話しかけてきたこの爽やかイケメンの名前は陽ノ本光輝(ひのもとこうき)という。名前の通り、太陽みたいに輝くといった笑顔の優等生君だ。
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