57人が本棚に入れています
本棚に追加
多分、光輝とかジャスティスレンジャ―が悪の組織相手にヒーロー物の特撮よろしく激しい戦闘を繰り広げているであろうが、俺の方は何事もなく授業を消化しただ今昼休み。
光輝もしばらくして教室に戻ってきたのだが、それを見計らうかの様に蓮、涼香、それに他の学年からも二人の女が光輝の下に集まってきた。
「光輝~ん、お昼食べに行こぉう。」
「ちょっと、蓮!!だから光輝に抱きつかないでよ!!」
「光輝君、お弁当作ってきたの一緒に食べましょう。」
「光輝…私と一緒に食べる……」
「ちょ、ちょっとみんな落ち着いて…」
「……………」
はい、ウザいです。人の席の隣でラブコメよろしイチャイチャすんなっ!!
因みに、上から三番目のセリフは一つ上の学年の此花冬華(このはなとうか)先輩だ。制服越しにも激しく主張するナイスバディに緩やかにウェーブした栗色の髪、おっとりした笑顔は後輩男子の心をつかんで離さない。この学園の“そのたわわに実った胸に包まれて撫で撫でされたいお姉さんランキング”第一位を獲得した女性だ。
上から四番目のセリフを言うのは、一つ下の後輩でシュニー・バラス。つややかな銀髪に表情の全くない能面じみた美顔で四人の中でも一番のツルペタ。クーデレ属性を保有する一部の男子から絶大な人気を誇り、この学園の“お持ち帰りして部屋にお人形さんとして飾って毎日ペロペロしたいランキング”第一位を獲得した娘だ。
更に因みに、このランキングはこの学園の全校男子の投票(光輝は知らない)によって決まっている。うん、この学園には変態しか居ないんですね。…俺?もちろん投票してますよ。
「光輝~」
「光輝っ!!」
「光輝君。」
「光…輝……」
「み、みんなちょっと…」
はぁ、ウザい…もうここに居るとストレス値が上昇して血管が切れそうだ。他のクラスの男子も殆どが嫉妬の視線を向けるか、見ないようにしつつもどこかに怒りを抑えようと行動に出ている者のどちらかだ。
俺はウンザリしながら席を立つ。
「あ、司闇!助け…「だが断る!!!!」早いよ!!」
もちろんのこと光輝を完全スルーして俺は教室を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!