入学式の洗礼

6/20
前へ
/39ページ
次へ
僅か5分足らずで三矢滝高校に到着する。 まだ早い時間ではあるが、既に駐輪場は自転車でいっぱいになっており、講堂前の広いスペースは入学生でごった返していた。 「うーし、美人いねーかぁー!」 到着した途端、騒ぎ出す深弦。 「そう簡単にみつかんねーだろ」 三矢滝高校の男女比はちょうど1:1くらいで、今年も例年と変わらないそうだ。新入生は全員で433名とあった。 講堂前に行きながら周りを見渡して可愛い生徒がいないか探す。自称進学校で、県内での偏差値もまあまあ高いため真面目な面をした奴等が多い。 「おぉ?あの人美人だぜ奨記!」 深弦の指す先には黒髪ロングの人だった。 「おぉ~。なかなかだなー。あれ?でもあの人多分2年生だぞ?バッジの色が緑だし」 ここの学校では、1年生が赤、2年生が緑、3年生が青の学年色だ。 「いや、歳上との甘い恋も…悪くないっ」 もう交際を考えてんのかお前は
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加