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「オレは生体培養をしたい。もちろん、ヒトの」
うつむいたまま逡巡して、やっと口にした言葉に対する相手の反応を恐れて息をつめる。
かつてあった、ある事件から危険な研究思想とつながるとされ禁忌される分野だった。
「まあ。」
嫌悪の表情を予想していたが声音に不審さを感じ、意を決して顔を上げる。
彼女は実に楽しそうな顔でこちらをみていた。
「すてき、グリフ、このコを頼めるかしら？」
「ケイ！！」
爺が慌てる。
こちらを向き直って、爺を手で示してから言う。
「彼は『モルグのグリフォン』あなた方の出会いは運命ね？」
彼女の言うには、爺の専門がソレなのだと言う。
ただし、隠されたラボマスターなので表だってオレが所属できないという…ちょっと小細工をするから連絡を待てと指示された。
怒涛のような変化にどっと疲れを感じる。
とりあえず、待ちましょう、望みの為ならと思うものの、なにやら本当のことかと思う自分がいる。
しかも、爺の慌てっぷりはまったく無視されていた…あの女…どれだけ強気なのか…。
笑いがこみ上げてくる。
「気持ち悪いな、なにやら楽しげで何よりだけどさ？」
「ジェラール…何の用だ？」
同じクラスのヤツがいつの間にか隣りに立っている。
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