さめたこころ

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朝起き抜けに着替えながら音声端末で天気予報と学内の情報を聞き流しながら、必要なことをぼんやりとだが記憶する。 「ああ、損した。もっと寝られたのに…」 元々少なかった今日の講義はどれも臨時休講という間の悪さで1日丸々暇になってしまった。 ふと思い立って2度寝の誘惑を退け、そのまま身支度を続ける。 その支度の合間合間に入れたエスプレッソをマグで胃に流し込む。 いつもの朝の如く、コーヒー好きが聞いたら泣いてしまうようなぞんざいな飲み方をしながら用意を終えて外に出かけた。 今、木にもたれているオレの近くを通り かかるほぼ全員と言っていいほどの数の視線が、こちらに向けられていく…。 なにやらお互いを押し合い笑いさざめきこちらをチラチラと見ながら通り過ぎていく大半が女子学生、時折混ざる、女教師…。 それは、オレには珍しい見なれない生き物をこわごわ見ているような感じに見えた。 「珍獣かよ、まったく。」 思わず苦くつぶやいた時、 まっすぐ進行方向を見て、急ぐという程 早くでもないがしゃんと背筋を伸ばした女教師にノロノロと歩く女子学生達が、スッ追い抜かれてしまった。
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