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鬱蒼として生えるがままという感じの木々を掻き分けるようにして進む。
手入れをせず、放置して、枝を絡ませて進む者たちを拒むようになっているここは視界が無い。
悪いなんてものじゃないのだ。
隠れた意図が壁となっているように。
慣れてきたからいいが、この先に何かあるとは思えないだろう、普通は。
その証拠に、はじめの時は迷い込んだのだ。
何も知らないで。
唐突に視界が開ける。
ツタの絡まり付いた白っぽい建物。
そこに入っていく。
「おーい!」
静まり返っている。
「ったく。」
テーブルらしきものにデリのバックを置く。
「全部、食っちまうぞ!」
そう叫んだ後、ドタバタと足音が近づいてくる。
「おお、若僧、来たか。」
白髪、白髭の白衣の爺が言った。
「ついさっき、これを食う権利はなくなったぞ。」
「そう言うな、ちょっと微妙な操作をしとったんじゃ。
さて、食べるかのう。」
爺はニカリと笑った。
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