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その秘密に気がついたのは、実に偶然だった。
ある時、ストレス解消に趣味のハッキングをあちこちのラボの教授のコンピューターにしている時だった。
ある教授の「覚え」のファイルにあった各教授への連絡用のアドレスリストの中に、一般的に伝わる12名と別に厳重にブロックされた2名分の教授のリストを発見したのだ。
トライしたが暗号化したイニシャルや文章らしきものでかかれた文字列が教授の通称名のようなものなのがおぼろげに読めただけで、あきらめたのだった。
自惚れではないが、他のヤツらよりこの分野が得意でもあり、1人で居るのが楽でコンピューターで演算やらシュミレートやらで遊んでばかりいた。
やがて、そういった遊びのたいがいのことをやり尽くしていくうち、いつの間にかハッキングなどのお遊びを覚えてしまったのだ。
気付かれず痕跡無く入り込むのが楽しいので、難易度以外、中のデータの内容自体はどうでもよかった。
しかし、この情報にはなぜだか心が引っかかった。
ここの学園の人間達と教授以外のラボの関係者の常識として知られている情報はこうだった。
一般街のエリアは真ん中を除いてドーナツ状に8等分され、ラボエリア(研究区)とステイエリア(居住区)が交互にある。
1つのラボエリアには3名の教授のラボが存在している。
スリープシープの中心部は食料生産とエネルギーに関するエリアだが、研究外補助者のみの立ち入りが許されているということだった。
そして、オレは確証は無いのだが、ここにいるこの爺さんがその非公開の教授2名うちの1人だと思うのだ。
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