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あらゆる番組をぶった切って報道されたその内容は、翌日の教室をざわつかせるのに充分だった。
やがて担任の平賀 源子(ひらが みなこ)が来ると、ざわつきはちょっぴり治まった。
「よーし、お前ら席着けー。」
ざわ……ざわ……としながらも、俺達は席につく。
「さて……この様子だともう皆知ってるみたいだな。……で、その件で詳しい発表があるんだ。正午までうるさくない程度に騒いでろ。暇だろうけど耐えてな。んじゃ。…………スマン、何人かテレビ運んでくれ。」
鼻眼鏡の似合う女教師は、自身も何も知らないらしく、いつもの様なけだるさは無く、どこかそわそわと。あるいはイライラとしているように見えた。
とりあえず彼女から聞けるだけ情報を聞きたい。
「じゃ、俺運ぶわ。」
と、名乗りを挙げると
「よしじゃあ、俺もっ!」
「トモが行くなら僕も!」
「……なら私も。」
上から順に千尋、奏太、螢と、次々に名乗りを挙げ、
「お前達は全く……。」
秋菜さんが嘆息をつくといういつも通りの光景が繰り広げられる。
すると、
「ふむ、私に付いてくる奴は居ないのか……。」
源子先生までノッてくる始末。
ガタッ
「そんなことないよせんせー!」
ガタッ
「そうですー!」
ガッタンガラガラ!!
「うむっ!私も行くぞっ!」
と、クラスの3人娘が立ち上がり始めた時点で、クラス内の緊張感はもう完全に解けていた。
それにしても、椅子ってあんなに転がるんだな。
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