初陣2

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全く……突然過ぎるぜ……。 ぞろぞろと皆で建物から出る。 すると、建物の前に止めていた自転車類が無いのに気が付く。 それもそうか。 と、邪魔な物が無くなって若干開けた場所に、人影が。 短く一つに結んだ髪。 まずそれが目に入る。 それがポンッと跳ねて向こう側へ消えたかと思うと、代わりに、赤いメガネをかけた顔がこちらを向いた。 身長は160センチ程だろうか。 顔も童顔で、当然のように着込まれた迷彩服が似合わない。 しかし、着ているのは迷彩服だけではなく、黒々とした防弾チョッキ2型が、割りと薄い胸を覆っていた。 さらに右の太ももには、拳銃用のホルスター。 中には9ミリ自動拳銃。シグ・ザウエルP220である。 左の太ももには、申し訳程度に弾倉ポーチが装着されている。 集まった人だかりを確認すると彼女は、手に持ったマイクで喋り出す。 「えーと、皆さんどうも初めましてー!陸上自衛隊……じゃなくて……えっと………レジスタンス日本支部陸上部隊の部隊長……………解りやすく言うと陸軍で一番偉い役やってます!十和田 初夏 (とわだ はつか)です!皆さんどうぞヨロシクー!」 …………え? 俺らと十歳も離れて無いような人が陸軍総司令官? 幹部として入隊してもこの若さじゃどう考えても無理だ。 イヤイヤ、これはあくまでゲームだ。 きっと現実世界では曹になってるか否か……位だろうな。 「はい、とりあえず皆さんは今から反政府軍……レジスタンスの一兵士として、我らが自衛隊を倒していただきます!あなた方が勝ったら、これまでの生活が続きますが、負けたら何でも国連様の言いなりですよーって事です。マジで。」 マジか。 「で、私達はそんな横暴に我慢できずに反旗を翻した正規軍兵士……。うん、とりあえず、ふざけんなコノヤロー!って言って反乱起こしたって設定らしいです。」 かつてゲームのキャラクターがこんなにメタ発言をする事があっただろうか。 「武器は渡しますし使い方も教えますので、皆さんはどんどん政府を攻撃していって下さいねー。あ、もちろん現実でやったら逮捕ですからねー。」 ほう。89式ならばネットやら雑誌やらである程度は操作方法は知っているし、何よりも物心付いた頃からエアガンで遊んできた射撃の腕がある。 果たして、現役の自衛官とどこまで渡り合えるだろうか……?
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