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「ところで忘れてないかい?こちらは89式しかないのに、あっちはミニミを積んだLAVがあるんだぞ?」
明希さんが新たに絶望の種を投下してくる。
そうだ……。完全に火力不足なんだよなぁ……。
「…そもそも、今日初めて銃を握った人間30人位で基地一つ落とそうっていうのが間違い。」
螢が珍しく暗い顔で言う。
「………まぁ、いつも通りやろう。……………死なないんだし。」
もう、こう言うしかなかった。
ドナドナが頭の中で流れ初める。
子牛をのーせーてー。
しばらくそうして揺られていると、キキッ!
とトラックが急停止する。
「……戦闘開始か。」
フッと薄く笑うと、勢い良く飛び降りる。
皆も続いてくる。
自然と全員が89式の安全装置を外して辺りを警戒する。
「残念だけど、まだこの辺りには見張りは居ないよ。」
十和田さんが話掛けてくる。
「さ、皆集まって!作戦を伝えるよ!」
ぞろぞろと30人が集合する。
今気付いたが、おっさんが少ないな。
中には奏太と張り合える位幼げな奴もいる。
15歳以上……だよな。
「とりあえず、12人の分隊2つと6人の班を1つ作って攻撃します。」
彼女はそこで一息着く。
「まず、分隊1は正面突破を目的としてとにかく突撃。分隊2はそれを後ろから援護。そして、」
なぜか俺に視線を移すと
「君達6人は裏口からこっそり……ね♪」
おいおい。これはまた、大役を任されたな……。
軽装甲機動車。(LAV)
分かり辛いが、ミニミ5・56㎜機関銃を搭載している。
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