開戦前夜

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なんて話をしていると。 「あっ!トモとチー君待っててくれたの?」 噂をすればなんとやら。 カバンを背負いつつこちらに駆けてきて 「待たせてゴメンねー……じゃっ、行こっか♪」 と、パァッと花が咲くような笑顔を見せたのは。 16歳男子。 なんていうデータが信じられないような容姿のクラスメイト。 身長150センチ位、髪は背中の中程まで伸びた少しクセのあるそれを一つに結んでいる。 くりくりと、しっかりしてまぶしい瞳とぷっくりしてつつきたくなるような頬と唇。 高校に入って、初めてのクラスから同じだったが、未だに同級生の、例えば隣にいる千尋や自分やその他の男子と同じに見えない。 学校1可愛いと誰もが言っている「倉部 奏太(くらべ かなた)」 もちろん、「ふ」のつく乙女の間では 「ぁああっ!か、奏太君よっ!」 「マジ天使っ!」 「生きてて良かった!」 「この学校に入って正解だった……!」 「ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ」 「男同士でも奏太なら俺はイケる。」 と、人気である。 最後は気にすんな。 女に飢えまくった故の妄言であろう。 そうであってくれ。
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