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「やっとお前んち着いたよ」
「ねぇー私のお家今日は遠く感じたね~」
「お前が言うな」
「ゆっくりしてく?」
「こんな時間だし今日は寄り道無しで家に帰るよ」
「そっか、ぢゃあまた明日ねバイバイ」
「んぁぢゃあな」
「さよなら美~華ちゃん」
「わっ有野居たの?」「お前いつから居た?」
「帰り道に俺があんまり喋ってないからって二人とも、それは無いでしょ…。」
「悪かったって今のは素直に謝るよゴメンな。」
「………。」
「じゃあ私は先に帰るね、バイバイ。」
美華はちらっと有野を見て家に入って行った。
「落ち込みすぎだろこいつ、仕方ないか。」
雅也は落ち込んでる有野を引きずりながら、自分達の家に向かう。
「それで、お前はいつまで落ち込んでるつもりなの?」
「だって、流石に存在を本当に忘れられてるとは思わなかったし。」
「…、ごめん。」
少ない会話をしながら家に向かってる途中に、雅也は地面に何か落ちてるのに気づき、なんだ?と思いながら近づいた
「…本?」
そこには、古びた茶色の本と茶色の本が落ちていた
「雅也それ何?」
「どうみても本だろ」
「だよな。」
はははと、有野が苦笑いしていると。
【何をしている?早く我を手に取れ!!】
「有野今なんか言ったか?」
「何も言ってないよ?」
【ここだ!!お前の足元だ早く手に取れ!!】
「なっ!!本…本から聞こえてるのか?」
「何?雅也独り言?頭大丈夫?」
「うるせー」
【ねぇ君、君も僕の事を拾ってみてよ】
「だから独り言はやめてよ」
「今は何も喋ってないからな」
「えっ?じゃあどっから?」
【ここだよ?足下の本だよ早く早く】
「雅也…本から声がするよ……。」
「知ってるだから喋ってた、おい有野お前も声が聞こえたんだったらこの本、拾うぞ」
「嫌だ、気持ち悪いから拾いたくない」
「俺も拾うから一緒にいくぞ?」
有野をこれまでに無い睨みで見ながら言うと
「わ、分かったよ…いくよ?」
せーのと、掛け声をかけ二人で一緒に本を拾い、手に取った
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