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風を切る音とともに
細切れになったモンスターが
地面へと散らばる。
「任務完了っと!」
一くくりにされた長い黒髪が
ふわりと揺れる。
大きくパッチリとした瞳に、
整った顔、
そして出るところは出て
引っ込むところは引っ込む、
そんなモデルのような
体型をした少女は
ゆっくりとその細い腕を
下ろした。
「さっすが里菜!
もう終わったの?」
モンスターを倒した少女と
そっくりそのまま
コピーしたかのように
同じ容姿の少女が二人、
現れた。
「もー、留菜?
来るの遅すぎるよ?」
「はぁはぁ……
間に合った~」
「玲奈、間に合って
ないからね?」
奏海里菜(ソウミ リナ)と
奏海留菜(ソウミ ルナ)と
奏海玲奈(ソウミ レナ)だ。
この三人には特別な力がある。
それが母親から受け継いだ
強力で強大な力。
ちなみにこの三つ子は
16歳である。
「別に遅くてもさ、
里菜一人で充分じゃん。」
「それは留菜でも同じ!
留菜が一人でやっても
良かったでしょ?」
「あー、はいはい。
里菜は怒りっぽいんだから~」
「む!留菜!
反省してないでしょ!」
「してるよー。
……多分?」
「留菜ー!」
「あ……二人とも……!
暴れちゃ……だめ……!」
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