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「で……
喧嘩した、と。」
現在地は家。
三人の前には母親である
奏海羅奈(ソウミ ラナ)がいた。
「だ、だって留菜が――」
「だっても何もありません。
もうすぐ学校に通うことに
なるというのに……
先が思いやられるわ……」
母親はため息をついた。
「大丈夫!
私、強いから!」
里菜がはっきりと言う。
「あんな力任せなやり方が
強いなんてありえないねー」
「な!何もしてない留菜なんて
所詮雑魚よ!雑魚!」
「何もしてないんじゃ
なくて何もする必要が
なかっただけ。
無駄はしない主義なの。」
「ッ!
怖くて動けなかった、の
間違いじゃないの?」
「ちょ、ちょっと……
二人とも――」
玲奈が割り込もうとした瞬間。
ズドーン!
轟音とともに家の天井が
吹き飛んだ。
弾ける魔力がバチバチと
母親の手から零れている。
「あんたたち……
ふざけるのもその辺に
しておきなさい。」
母親からの威圧で二人は
黙り込んだ。
「あ、天井……
壊れた……」
玲奈が青空の見える
天井を眺めながら呟く。
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