1章

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俺、西山 統は近所でも色んな噂が絶えない都立白岩高校に無事に合格した。 噂と聞いてまず一番有名なのは『指切り人形』。 まぁ、詳しくは知らねえけど 俺は指定された下駄箱で靴を履き替えながら考えていた。 最近の悩みの種である。 俺の向かいの家に神崎 健太と言う奴が居る。 そいつも俺みたいに旧校舎で見つかった奴の一人だ。        ・・・ 「西山ー…またあの子が来てるわよ」 うげ!朝からかよ そう、最近の悩みはその神崎 健太に付きまとわれてる事だった。 「……行くしかねぇか」 言い忘れたけど白岩高校は小中高一貫の学校だ。 面倒くさいけど廊下に移動する。 教室を出るとすぐ目に映る……6年なのに小柄な少年。 「あ、統お兄ちゃん」 と毎回口癖のように言われる。 「…またお前か。何度来たって同じだ、俺はお前なんか知らない」 神崎 健太は俺の教室に来るなり「統お兄ちゃん」と呼ぶ。 「…どうして忘れちゃったの?お姉ちゃんがどこにも居ないんだ」 今にも泣きそうだ コイツの姉ちゃん、行方不明なのか?
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