1章

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「早く見つかるといいな……でお前の姉ちゃんの名前、何て言うんだ」 「うん。お姉ちゃんの名前は、神崎 絢乃だよ」 ……絢乃 初めて聞く名前の筈なのに……なんだこの感じ… 「統お兄ちゃん?」 「あっ、あぁ」 やべー……動揺してんな 「お姉ちゃんの事、思い出したら僕に教えてね!」 バイバイと手を振って廊下を走る……姿が見えなくなった所で俺も自分の教室に入る。 「ねぇ、西山。あの子、毎日来るよね……もしかして弟?」 コイツは河井 玲菓(カワイ レイカ)新聞部に入り、噂好き。 毎日毎日同じ質問ばっかり 「しつこいぞ河井。毎日言ってんだろうが」 河井の横を通り抜けて自分の席に座る。 「あ、待って!あの神崎 健太にはある秘密があるみたいなのよ」 ーー…秘密? 思わず作業を止めてしまった。 「…で、お前が聞きたい質問ってなんだよ」 そう言うと河井は待っていたかのようにブレザーから小さいメモ帳を取り出した。
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