1章

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高等部の教室で初等部の小学生を連れこむのはまずいので中庭のベンチに座る。 「お前、なんか食べたか?」 俺が連れ出した時はまだ昼だったしな 「ううん。買いに行こうと思ったんだけど…統お兄ちゃんが来たから」 まだ食べてないか 「なら俺のカレーパンやる」 そう言ってベンチに置かれた色んなパンの中からカレーパンを取って健太に渡す。 「やっぱり統お兄ちゃんは優しいや」 健太は嬉しそうにカレーパンを頬張る。 やっぱりコイツ、俺の事を知ってるみたいだ 「統。この子は初等部ですよね…誰なんです?」 「あ、煉お兄ちゃん!」 やっぱり煉にも同じ反応。 「…僕が君のお兄さん…いや、それは有り得ない事で…」 一人でブツブツ呟く煉はほっといて健太の方を向く。 「なぁ、お前はどうして俺たちの事を知ってるんだ」 「…………だって、お姉ちゃんのお友達だもん」 今の質問で元気をなくした健太は俯いてしまった。 また出た、お姉ちゃん…か
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