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「…聞けよ…! 君はさ、STORMに入るんだろう…!?」
「っ…」
「なら…未来の隊員を…うッ!? ッ~…はぁ、はぁ…
未来の隊員を、死なせないわけには、行かない…!」
今死んでもおかしくない状況なのは、一目瞭然だった。
それなのにもかかわらず、アスカはそう力強く言った。
「……」
アイリスは、何一つ言葉を発することができなかった。
そのアイリスを見て、アスカは弱々しく微笑んだ。
「……俺は、ヒジカタ・アスカ…君、は…?」
「あ…アイリスディーナ・V・リヒター…」
「! まさかあの、ドイツの事件の……!? あッ…!!」
「ッ! しっかり!」
「…そっかぁ……なぁ、アイリスって、あのチビすけに呼ばれてたよな…」
「はい。名前が長いとかいう理由で、昔から、」
「大切な…その…仲、か…?」
「?」
「……俺…君とおんなじ理由でSTORM入ったんだよ……昔は『狂犬』アスカって有名だったんだ……」
「もう、喋らないでください! これ以上は…!」
「俺さ…士官学校でスゲー仲良い奴いてさ……だけど、俺が怪獣を倒すことを優先させたばっかりにそいつは……ッ!」
「!?」
「…今度の、宇宙探索船のパイロットに志願したのも…! そいつの昔からの夢を、俺が引き継ぐつもりで…!」
「…な、なら、もう喋ってはダメだ! このままではあなたは…!」
「そう…俺も、あいつのところに、逝っちまう…うっ、ゴホ、ガハッ!?」
再び、吐血するアスカ。さっきから血が止まらない。
「…でも、俺とおんなじ理由で…STORMに、入ろうとする、子と出会えたのも……ひょっとして、運命だったのかな~……」
「おい、おい! しっかりしろ! おい!」
「…でも…俺よりは…いい、隊員に……アイリスはなれるさ……」
涙目で必死にアスカをと止めようとするアイリスだが、アスカの命は、どう見てももう風前の灯だ。
「……ああ……俺みたいにはなるなよ…?」
「しっかりしろ!」
「…それと、最後に…」
「最後にとか言うな!」
「ここの隊員の…アイハラ・リョウコ…リュウにな…?」
「バカ! 自分で言え! おい!」
「…リーダー、辛いと思うけど、頑張れ、って……」
「おい、目をつぶるな! アスカ副隊長殿! ヒジカタ・アスカ! おい!」
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