18人が本棚に入れています
本棚に追加
「あー、番組こんなんばっか!」
翌朝、俺ん家で朝飯(食パン、ハムエッグ、サラダ)を食いながら、昨日の事をひっきりなしに報じる、マスゴ…マスコミ共しか映らないテレビを見ていた。
「そうだな。」
…おっと、一人じゃないんだった…
「……」
俺の向かい側には、
何を考えているのかわからない表情のアイリスが、
俺の朝食を少しずつ食べていた。
「…気分変えようにも、これじゃ昨日の事思い出しちまうな?」
「そうだな。」
「お前、大丈夫か?」
「そうだな。」
「…アイリスは男ですか?」
「そうだな。」
「女だろ。」
「そうだな。」
「……キスしちまうぞ?」
「ばっちこい。」
「は!?」
「ばっちこい。」
「冗談だよ! さすがに! 和ませようと思って!」
「ッ………そ、そうだな…」
「ショック受けてんの!?」
何コイツ、昨日からこんな感じなんだけど…!?
「…と、とりあえず、昨日の事もあるけど、元気出せよ…」
「…そうだな。」
「~…」
ダメだ、こりゃ…
「ほほ、いっそ本当にキスしてはいかがですかな? コウガ様。」
そう言って、微笑ましそうな顔でコーヒーを差し出してくれるのが、昨日アイリスと共に家へ泊まったアレクセイさんだ。
…案外、燕尾服は俺んちのリビングでも違和感がねぇ…って、何考えてるんだ俺…
「……はぁ~……」
…ダメだ。
そう言う俺も、昨日のあれから――――
***
最初のコメントを投稿しよう!