Mission 3:立ち上がる力

3/61
前へ
/313ページ
次へ
「あー、番組こんなんばっか!」  翌朝、俺ん家で朝飯(食パン、ハムエッグ、サラダ)を食いながら、昨日の事をひっきりなしに報じる、マスゴ…マスコミ共しか映らないテレビを見ていた。 「そうだな。」  …おっと、一人じゃないんだった… 「……」  俺の向かい側には、  何を考えているのかわからない表情のアイリスが、  俺の朝食を少しずつ食べていた。 「…気分変えようにも、これじゃ昨日の事思い出しちまうな?」 「そうだな。」 「お前、大丈夫か?」 「そうだな。」 「…アイリスは男ですか?」 「そうだな。」 「女だろ。」 「そうだな。」 「……キスしちまうぞ?」 「ばっちこい。」 「は!?」 「ばっちこい。」 「冗談だよ! さすがに! 和ませようと思って!」 「ッ………そ、そうだな…」 「ショック受けてんの!?」  何コイツ、昨日からこんな感じなんだけど…!? 「…と、とりあえず、昨日の事もあるけど、元気出せよ…」 「…そうだな。」 「~…」  ダメだ、こりゃ… 「ほほ、いっそ本当にキスしてはいかがですかな? コウガ様。」  そう言って、微笑ましそうな顔でコーヒーを差し出してくれるのが、昨日アイリスと共に家へ泊まったアレクセイさんだ。  …案外、燕尾服は俺んちのリビングでも違和感がねぇ…って、何考えてるんだ俺… 「……はぁ~……」  …ダメだ。  そう言う俺も、昨日のあれから――――        ***
/313ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加