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バーチャル異空間の事を話すのにはかなりの勇気が必要だった、だから私はまだ勇気が足りないのか少女にその事を上手く伝えるのはさすがに無理があった。けれど私は何とか勇気を出して優衣にこう言った
「言ったら信じてくれるかしら?」
そう呟きながらもゆっくりと口を開き
「あのね、優衣?」
彼女の目を真っ直ぐに見て話しかけた、すると少女はこちらを見て
「何、白幻?」
首を傾げて、そう訊ねてきた
(優衣なら信じてくれるわよね?)
私は息を飲み、少女にバーチャル異空間の事を話したそして話しが終わると。優衣は困った表情を浮かべこう言い放った
「ねぇ、白幻。そんな事が本当にあるの?」
少女は困った表情を浮かべながらそう言い放つと、更に続けて追い打ちを掛けるように言った
「信じられない」
少女は一言、この一言に私は凄く心が痛くなった。彼女は先に早足で歩いて帰って行く
「待って!」
その瞬間、優衣を呼び止めた。すると優衣が冷たい目で私の方を見て
「白幻、ごめんね」
彼女はそう言うと走って家に帰って行った。この時どれだけ悲しくなっただろうか、バーチャル異空間を知る者はもう直ぐ消えてしまうのか。そんな不安と、悲しみが心に深く突き刺さる
私はついに泣き出してしまい、帰り道は泣きながら帰路を駆けた
「うっうっ、何でなの?」
そして涙を瞳に一杯溢れさせながら、その場に座り込みゆっくりと深呼吸をした
「はぁっ」
そしてため息を一回だけ着くと、再び家に向かって歩き出す。そんな事もあり私は、暗い気持ちになりながら家に到着した
「ただいま」
家の扉の前でそう言うと、ゆっくりとドアノブを握り扉を開けた。中に入ると玄関には白奈が立っていた、そして彼女は
「お帰り白幻!」
元気一杯の笑顔を浮かべながらそう言った
「ただいま、白奈!」
だから、私も精一杯元気にただいまと挨拶をした
「今日の事何か話して!」
白奈は私を見ると嬉しそうにそう訊ねてくる、だけど今はあまり今日の出来事について話したくなかった
「ごめんね、今はそっとしておいて」
だから私はそう言って洗面所に向かった、洗面所に行くと先ずうがいをしてその後に手を洗う。そしてスリッパを履いて廊下を歩くと自分の部屋へと向かった、スリッパで歩く音が廊下に響く。その小さな音を耳にすると何だかとても虚しい気持ちになった
「彩夏を助けたいな」
私が今考えている事は少女の
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