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――少女がこちらを向き、私の顔を見て何かを話したそうに口を開く。そして自身は白幻にこう言った
「ねえ白幻、私もお姉ちゃんに会いたいよ。白幻だってそうだよね?」
まるで問いただすかのように、彼女にそう問いかける
「え、えぇ」
白幻は小さく頷いて答えた、その瞬間私は嬉しくなり。にっこりと微笑みながらお礼を言った
「ふふっ」
お礼を言われて何だか嬉しくなり、思わず釣られて自分まで微笑む。その時だった、何かが窓にぶつかるような音が突如響く
「なに?」
驚いて部屋を見渡す、しかし窓には何も居なかった。鳥か虫が飛んできて窓に衝突してしまったのだろうか一瞬そう思ったが、とても虫や鳥がぶつかる音では無かった。まるでそれよりも大きな何かが窓に衝突したと言った感じだ
「さっきのは、一体何だったのかしら?」
思わずそう呟くと、あぁっ。と夏々が窓を指差して叫んだ、慌てて私は窓の方へ振り返る。するとそこには金色の髪をした少女が窓の縁に座っていた、その様子を見て思わず私達は唖然とする
何故なら、そこには人が居たから驚いて言葉が出なかった。暫くして金色の髪の少女は人の家の窓に座りながら寛ぐ、そんな様子を視ていたらだんだんと怒りが込み上げてきた
「ちょっと、人の家で勝手にくつろがないで!」
私は我慢の限界で思わず少女にそう怒鳴る、次の瞬間きょとんとしながら少女は私の方を視やる。そしてこう言った
「えっ、私は狐なんだけど」
その言葉を聞いた瞬間、私は驚いて窓のカーテンを閉めた。彼女は窓から部屋に入って来て困った顔をしながらこう呟く
「私は狐火よ、忘れたの?」
その名前を聞いた時、私は今凄く驚いた顔になっているであろう。そして本当に驚きのあまり黙り込んでしまった
まさかバーチャル異空間から帰還した一人に会えるなんて思ってもみなかったから。でも、何故少女は窓から来たのかそこは疑問だった。咄嗟にこう訊ねた
「何故、窓から?」
「それは、私の立ち位置だからよ?」
少女は少し悪戯な笑みを浮かべながら答えた、流石にふざけ過ぎではないだろうか。私はそうは思ったものの結局それが理由と言う事だと認めた
(はぁっ)
もう突っ込むのも馬鹿馬鹿しい、そう思ったのであえてその事を突っ込まなかった。そんなこんなで少女は
「私は狐火、改めて宜しくね」
笑みを浮かべながらそう自己紹介をした
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