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「……あれっ?」
しかしもっと驚いたのは私は彩夏の家で無く、コンクリートの地面の上に気絶していたと言う事実と光景に驚愕した。夢だったのか、そう思いながらゆっくりと起き上がると
『大丈夫かい?』
「えっ、えぇ。大丈夫です」
心配して見下ろす叔母さん、私は迷惑をかけまいと平気だと言いゆっくりと立ち上がろうとする。しかし足が上手く動かず立つ事が出来なくなっていた
『お家は何処なの、おぶって行く?』
この辺に住む叔母さんだろうか、その人はそう言って私を背負う
「ありがとうございます」
『びっくりしたよ、まさかこんな子供が倒れていたなんてねぇ』
驚愕を露に、苦笑混じりに叔母さんは後ろに背負われている此方を視やる
「えっと、この角を曲がった所です」
力無く、私は何とか角を指差しながらそう言った。この辺りかい、おばさんが再び質問してくる
頷き、私はその親切な人に頭を下げて再びお礼を言った。軈て名残惜しそうにしながらも叔母さんは帰って行く
自分を助けてくれた親切な人に会えた、そう感じると心が暖かくなる。そして家の前までなんとか辿り着くと鍵で扉を開けた、扉を開けて家の中に入る。玄関には私
が好きなぬいぐるみを沢山飾っている
「可愛い」
帰るなりその置いてある縫いぐるみを一つ手に取り抱きしめた。そしてその後、洗面所に行き手洗いうがいを済ませて私は二階へと上がった。此所には私の部屋がある
軈て寛ぐように、部屋にある机の椅子に腰を下ろす。気付けばうとうととし、微睡みながらそのまま眠りへと落ちる
ザァアアッ
だが、雨の降ってくる音で目が覚ます。大雨じゃないと良いけど、そう呟やきながら私は窓を開けて外の様子を見た。ふと空を眺める、空の景色は雨が降りだしている為どんよりと曇ってていた。しかし空を見る限り大雨ではなかった、それが分かると窓を閉める
「眠い……」
窓を閉め、外を眺めていると眠くなった。欠伸まで出始めて船を漕ぎそうになり窓に頭をぶつけそうになる
(はっ……)
あまりの睡魔に、仕方なくゆっくりと休む事にした。部屋のカーペットに寝転がりそのまま眠る、その日は二時間くらいして目が覚めた
「ううーん?」
ゆっくりと起き上がると、一階から電話の鳴る音がした。電話に出ようと私は部屋から出て階段を降りる、電話はまだ切れてはいない様だった
なので電話に出る事が出来た。そして気だるいながらも受話器を耳にあてると
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