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「当たっていたか?」
俺は適当に言ったのに、少女の様子からしてどうやら正解は復讐だった様
「じゃあ、復讐をするのは何故だ?」
目論みが分かると、俺は少女を視やりながら続けに問いただした。すると彼女は
「それを、あんたに言う必要ある?」
冷たい目で此方を狼狽え気味に視やり、そう言い放った少女。流石にそこまで追及する義理は無い、言い放たれた言葉に何も言えなくなってしまった。だが暫くし
「一つだけ質問して良いか?」
と訊ねた、しかし少女は再び冷たい目でこちらを見てこう言った
「だから、質問も何も私は聞かないって言ってるのよ!」
冷たい目で此方を見ながらついには睨み付けられた、だからと言って人を殺すなんて許される事じゃない。そう心の中で俺は思った、だがこの少女にはそんな事を言っても無駄な気がすると言う気持ちもあり言い辛かった
「何か言いたそうね」
すると少女は、言葉を言いたげな俺に気付いたのか。唐突にこんな事を言ってきた
「人を、消そうとするなとでも言いたいの?」
少女は、まるでこちらの考えている事が読めたのか今思っていた事を言い当てる
「分かっているなら、尚更何故だ!」
狂い気帯びる少女に、ついには突っ込みをいれた
「ふふっ、面白い偽人ね」
此方を視やりニコニコと笑い、少女は偽人と言うあだ名で俺を呼ぶ。流石に偽人と言う言葉に俺は
(まさか、バーチャル異空間から来た人間だと気付いたのか?)
そう驚いてしまった、否まさか知る筈が無いのだが
「まさか、気付かれるとはな」
少し悔しげに、そう呟くと俺は辺りを見渡し。仕方ないがここで倒すしかなさそうだ、そう決意して刀を少女に向ける。雪女はそれに全く怯えもせずただ刀を見つめていた、そんな少女の姿を見た瞬間俺は刃先を彼女に向けるのを止めた
すると、少女はこちらを見て、微笑みながらこう言った。ありがとうと、そう呟き少女は先ほど地面に落としたナイフを拾い上げ
「何をする気だ……」
俺は驚いて少女の方を見た雪女は拾い上げたナイフを見つめる、そして次の瞬間。何かが突き刺さる音が耳に聞こえた、しかし自分には全く痛みが無い
「嘘だ、そんな……」
不思議に思った瞬間、目の前で血を流し倒れる少女の姿が目の前に映る。何が起きたのか意味が理解出来なかった、彼女は瞳に涙を溢れさせながらこちらを微笑んで見ている
(何で、こんな……)
その瞬間、時が止まったかのように俺の思考は動きを止め
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