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辺りに降る白い雪は、倒れた少女の上にふわりふわりと落ちていく。そして今、自分の目には沢山の涙が溢れている、しかしその涙は流れ落ちてこない。本当に悲しい気持ちで涙が出てこなかった
「っ……」
俺は少女の側に駆け寄ると少女の手を握った、何故同い年くらいの彼女がこんな事を。そんな疑問だけが脳裡を過っていた
(一体過去に、バーチャル異空間に何があったんだ)
少年はこの時、ある決意をした。その決意は、バーチャル異空間に関わった者が悲しい目に合わないようこの場所。バーチャル異空間の秘密を暴き、企みを阻止する。そう心に誓った
悲しみを抑えながら俺は、少女を抱えたままバーチャル異空間を出る。そして一旦彼女を地面に置き、もう一人倒れている少女を連れて来た。責めてどちらかでも助かってくれないか、そう思っていると
「痛っ……」
狐火がゆっくりと目を開けた、まさに奇跡が起きた瞬間だった。それと同時に俺の目からは沢山の涙が零れ落ちる
「良かった、急いで病院に運ぶからな……」
少女を背負うと俺は、近くの病院まで少女を運んだ。病院の自動ドアが開き、病院内に入る
『怪我人です、直ぐに治療室に移します!』
病院の先生は直ぐに狐火を治療室へと運んだ、一息着くと、俺はその場に座り込む。其れから暫くすると治療室の扉が開く
「狐火は?」
『今は眠ってますが、命に別状はありませんよ。君が発見したのが早くて良かったです』
医師はそう言い、こちらにどうぞと治療室の扉の奥へ案内してくれた
「狐火、大丈夫か?」
俺は治療室に入った瞬間少女を小さな声で呼んだ、しかし彼女はよく眠っていて返事が無い
助かって良かった、再び安堵の息を吐く、軈て少し時間が経過して俺は治療室から出る。そして病室から出るとゆっくりとドアを閉めた
(白幻と白奈にも、連絡しないとな)
まずこの事を、狐火を知る者に連絡しようとケータイを取り出す。メール画面にして、まずは双子にメールを送る。そしてその後白奈と白幻にも連絡を回す
「はぁっ」
ため息を着きながらメールを待つ事10分が経過し、突如ケータイが光りながらメロディーを鳴らした
(来た……)
画面を開くと、話しは花梨と花香の家で宜しくと書かれていた
「久しぶりだな、あの双子に会うのは」
俺はメールの返事に了解と書いて送信した、その後は鈴蘭神社の所へ置いてある遺体を病院の人に知らせる。だけど
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