ショートショート1

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「おっせーよ。馬鹿」 待ち合わせ場所につくや否や罵声が飛んできた。 「悪い。ここ最近外出してなかったから準備に手間取ってさ」 悪いとは言ったものの心では (無理矢理呼び出したくせに) と悪態をつく。しかしそれを悟られないよう話題を変える。 「それよりデカダンスが見れる場所は何処の公園よ?」 「公園じゃねえよ」 「は?え、じゃあ何処よ?」 (まさか道ばたとかか?) 俺がポカンとしていると「はい」と目の前に一枚のチケットが差し出された。 「チケットがないと入れないって何処のコンサートや劇場だよ」 乱暴にチケットを受け取り場所を確認する。そこには 『〇〇〇美術館』 と記されていた。 「美術館?」 「そう。な、興味湧くだろ?」 確かにこれは興味が湧いた。美術館とデカダンス。どうやったら結び付くというのか。 俺は早くみてみたくなって、自分が遅れたのも忘れて今にも降りだしそうな空のもと、A君を急かしながら美術館に向かった。
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