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B「もしもし! …へ? あ、いや、番号間違ってますよ。…はいはい。どーもー。」
通話終了。BとA、顔を見合わせる。
やがてBが口を開く。
B「…ガチな方の、間違い電話でした。」
2人、爆笑。
そこに再び電話。
B「また間違い電話じゃね?」
A「いや、今度こそはわかんねーよ?」
A、笑いながら出る。と、表情が強ばる。
B「…もしかして。」
無言で頷くA。電話口を押さえ小声で
A「どーしよ?」
B「出ちまったもんはしょうがねぇ、言っちゃえ!」
A「言うって、何を? 俺、さっきので全部吹っ飛んじまったよ!」
B「えぇっ…あーもーいい、借せ!」
B、携帯を奪う。
B「キモイ!ウザイ!死ね!」
通話強制終了。2人ともなかなか口を開けない。
口火を切ったのはB。
B「結局、言っちまったな。」
A「…だな。よりにもよってあの言葉。」
B「しゃーねーだろ? お前いつまで経っても何も言わねーし。」
A「まあ…そうだな。」
B「…何はともあれ、折り返してこないってことは。」
A「成功…ってことか?」
B「た、多分?」
大きなため息をつく2人。
しかしそこに、先ほどとは異なる着信音が鳴り響く。
B「な、なんだ、俺のか。」
A「びびった…」
自分の携帯を取り出したBだったが、着信画面を見て固まる。
A「…どうした?」
B「…非通知だ。」
〈END〉
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