机と椅子と、2人。

4/4
前へ
/10ページ
次へ
B「もしもし! …へ? あ、いや、番号間違ってますよ。…はいはい。どーもー。」 通話終了。BとA、顔を見合わせる。 やがてBが口を開く。 B「…ガチな方の、間違い電話でした。」 2人、爆笑。 そこに再び電話。 B「また間違い電話じゃね?」 A「いや、今度こそはわかんねーよ?」 A、笑いながら出る。と、表情が強ばる。 B「…もしかして。」 無言で頷くA。電話口を押さえ小声で A「どーしよ?」 B「出ちまったもんはしょうがねぇ、言っちゃえ!」 A「言うって、何を? 俺、さっきので全部吹っ飛んじまったよ!」 B「えぇっ…あーもーいい、借せ!」 B、携帯を奪う。 B「キモイ!ウザイ!死ね!」 通話強制終了。2人ともなかなか口を開けない。 口火を切ったのはB。 B「結局、言っちまったな。」 A「…だな。よりにもよってあの言葉。」 B「しゃーねーだろ? お前いつまで経っても何も言わねーし。」 A「まあ…そうだな。」 B「…何はともあれ、折り返してこないってことは。」 A「成功…ってことか?」 B「た、多分?」 大きなため息をつく2人。 しかしそこに、先ほどとは異なる着信音が鳴り響く。 B「な、なんだ、俺のか。」 A「びびった…」 自分の携帯を取り出したBだったが、着信画面を見て固まる。 A「…どうした?」 B「…非通知だ。」 〈END〉
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加