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その2
『放課後』
二人の少年が、放課後の教室に残ってたわいのない話をしている。
A「あ、そういやさ。ちょっと相談に乗って欲しいんだけど。」
B「何々、どうした?」
A「実は、さ。最近、イタ電がひどいんだ。」
B「イタ電? うわぁ、久々に聞いたわその言葉!」
A「いや、冗談じゃなくて、真面目な話。」
B「ふーん。」
A「何かさ、女の声なんだけど、電話口でブツブツ呟いてて。でも何言ってるか分かんないんだよ。気持ち悪くてさ…」
B「着拒にしちゃえよそんなん。」
A「こういうのは大抵非通知なの。俺んとこにかかってくるのも例外じゃない。」
B「すまんすまん、茶化しすぎた。で?」
A「ったく…とりあえず出ないようにはしてんだけど、今だにかかってくるわけ。」
B「心当たりは?」
A「ない。つか、俺がそういうトラブルに巻き込まれるようなタイプに見えるか?」
B「…見えないな、うん。」
A「だろ? …なあ、俺どうするべきだと思う?」
B「いやぁ…そのまま無視し続けるしかないんじゃね? それか、もういっそのこと出て、一言言ってやる。」
A「一言?」
B「そう。『キモイ!ウザイ!死ね!』みたいな?」
A「えぇ? それむしろ悪化しないか?」
B「いやいや、例えだよ。なんて言うかは自分で考えろ。」
A「うーん…」
Aの携帯に着信。案の定非通知である。
A「げっ! 噂をすればだよ…」
B「何? かかってきたの?」
A「おう。どーすっかなぁ…」
B「ほっときゃ勝手に切れんのか?」
A「まあな。でも、これが多い日だと3、4回かかってくるもんだからマジで困る。」
しばし沈黙。が、なかなか切れない。
B「…俺が出てやろうか?」
A「へ?」
B「興味津々なのわかってんだろ?」
A「…まぁ、分かってっけど。気持ちのいいもんじゃねーよ?」
B「大丈夫だ、問題ない!」
A「あ、おい!」
B、電話に出る。
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