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「……浅見って、案外可愛いのな」
授業終わりのチャイムに紛れて、結城君が言ってきました。
「え?」
それは唐突だったので、びっくりしましたが、きっと聞き間違いだろう、と、あまり深く考えないことにしました。
「教科書有難な」
そのあと、そんな言葉が聞こえて、私は結城君に微笑みかけました。
しかし、すぐに結城君は俯いてしまい、私は、何も伝えられませんでした。
やっぱり私なんかが話しかけるのは、駄目でしたかね。
これまたあまり深く考えず、私は6時間めの準備を始めました。
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