あの日

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私には、忘れられない人が居た…。 思っても…手の届かない人。 付き合う何て… 永遠にあり得ない人…。 今は、メル友。 時々くるメールだけが、私の唯一の楽しみ…笑 メールでの普通の会話。 それだけで幸せだった。 例え…会えなくても。 例え…未来が無くても。 人妻になった事はあえて言わなかった。 気を使われるのも嫌だったし… 知られたくなかった。 そんなある日。 旦那様と大喧嘩!! 何時もより、激しい怒鳴り声。 どうやら、態度が気に入らないって…。 お金を出さないって言っただけなのに…泣 バキッ!! 当時、二つ折りだった携帯が真っ二つに折れた。 ……。 ((((;゚Д゚))))))) あっ…。 私の唯一の癒しは音を立てて壊れた。 私の中で、一緒に何かが壊れた。 怒りとか、殴られた痛みとか…。 そんな物より、悲しさと心の痛みだけが残った。 その日の夜は、雨が土砂降りで… 雷が鳴っていた。 借金と暴力と… 唯一の、癒しを無くした私は… 気が付いたら… 旦那様の首をガッチリしめていた。 ゴホッ! 苦しそうに咳をする旦那を見て… 我に帰る私…。 殺せ…。 お前になら殺されてもいい。 無意識に、殺そうとした自分に驚いたのと… それでもお前なら殺されてもいいといった旦那に驚いたのと… 頭の中はグチャグチャだった…。 ちゃんとこの人を愛さなきゃダメだ! 旦那の腕の中で静かに泣いた。 旦那は、私を選んだ。 私は旦那のモノになったんだ。 他の誰かを思っちゃダメだ…。 彼を忘れなきゃダメだ…。 これで良かったんだ…。 これで…。 ……。
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