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「はは、大丈夫だよ。見たところ、僕と歳が近そうだしね」
「むー、ハルクさんったら……」
こんなに寛容だと、怖い噂は本当なのか怪しくなってくる。
「で、フィレナはここに用があんだろ?」
「はい。報酬を受け取らなきゃいけないので」
「俺はどうすれば良いんだべ?」
アーサーはハンターでもないし、この街は右も左も分からない。
かと言って、ギルドの前で待ち惚けなのも間抜けだろう。
「そうですねぇ……勝手に着いて来ただけですし」
「な、なんか棘のある言い方だべな……」
フィレナの言ってる事は、確かに正論。
ただちょっと毒があるだけなのだ。
「なら、取り敢えずフィレナちゃんの所に置いとけば良いんじゃない?」
「え、あそこにですか?」
フィレナの現在住んでいる所……
つまりタービア城。
ミーナがいるので、何とかなるとは思うが。
「うーん、でも……」
「おー、フィレナん家か。行ってみてぇな」
フィレナが気掛かりなのは、別に家に上げる訳ではない。
本当に気に掛けているのは……
"この人を城に連れて行って大丈夫だろうか"と言う事である。
「まぁ、良いですけどね」
ぶっちゃけどうしようも無いので、仕方無く連れて行く事に。
「じゃあ、報酬は僕が預っておくよ。ちゃんと面倒を見るんだよ」
「はい、ありがとうございます!」
「いやぁ、楽しみだっぺなぁ」
本当に大丈夫だろうか。
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