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─フィレナの家。
つまる所、タービア城。
「………………」
フィレナの住まいが判明し、固まるアーサー。
まさか、城に住んでるとは思わなかったのだろう。
「(まぁ、面白い表情です)」
そんなアーサーの反応を見、少し悦に入るフィレナ。
黒い。
「え……お前さん、偉い人だったんだべか?」
「そういう訳じゃないです。私も、居候みたいなものですからね」
恐らく、ミーナはフィレナを居候だとは思っていないだろう。
家族も同然に考えているだろうが、フィレナはどうも謙遜しがちと言うか。
「それより、早く入りましょう? 否が応でも、一旦はここにいなきゃいけないんですから」
「お、おう……」
アーサーが固まってると分かると、途端に強気になるフィレナ。
すると……
「あーっ、フィレナ!」
城門から、腰までツインテールにした金髪を靡かせる少女が現れた。
「ミーナさん! ただいまです!」
「おっかえり~!」ギュー
フィレナの姿を確認した瞬間、突然ハグするミーナ。
フィレナも馴れているのだろう、笑って看過していた。
「……えーっと、どちらさん? あ、フィレナの姉ちゃんか何かか?」
「ふえ?」
ここでようやく、アーサーの存在に気づいたミーナ。
「だぁれ? かっこいいお兄さんだね!」
「な、なんだぁ?」
ミーナの想像を絶する人懐っこさに、若干戸惑うアーサー。
まぁ、いきなり知らない女の子にかっこいいお兄さんとか言われたら、そうなるだろう。
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