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─で。
「どうぞ、アーサーさん。ここが私の部屋です」ガチャ
「ほっは~」
フィレナに促されてお邪魔し、アーサーの眼窩に飛び込んできたのは……
「……え? 居候って言ってなかっただか?」
とても居候とは思えない、豪華絢爛な家具の一式だった。
ベッドには薄いカーテンまで付いている。
「はい、私はこの部屋を借りている状態ですが……」
「えーっ!? フィレナ、まだ居候感覚でいたの!?」
「ふえ?」
フィレナの姿勢に、ミーナは心底驚いた様子。
ミーナの性格上、それが何故なのかは明白のようなものだが。
「フィレナはもう家族だよー? ここは貸してるんじゃなくて、もうフィレナの部屋なの!」
「そ、そうは言いますけど……私はミーナさんと血は繋がってないですし……」
「かーたーいー! 私はこんなにフィレナの事を想ってるのにぃ」スリスリ
「はわわっ」
フィレナの他人行儀に軽くショックを受け、何故か抱き着いて頬を擦り合わせるミーナ。
美少女が美少女とくっついているのは、何かと画になる。
アーサーも生唾を飲み込んだとかいないとか。
「あ、ありがとうございます」
「フィレナ好き好きー」
「あー、ごほんっ!」
二人がイチャイチャしてる最中、アーサーが咳き込んで割って入った。
「ちょっと、百合の世界にお邪魔するけんど……」
「どしたの?」
「フィレナ、ハンターギルドに行かなくて良いんか?」
「……あっ!」
ようやく、何故アーサーをここに置いたかを思い出したフィレナ。
城を後にし、急いでハンターギルドに向かって行った。
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