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ワァァァアアアア!
街の中は、阿鼻叫喚の凄惨な姿が広がっていた。
それもそうだろう。
「やっぱり……今の爆発音は城の方から……!」
いきなり城の広場で、小規模の爆発が起こったのだから。
爆弾。
平和な街には似つかわしくない代物。
「まさか……これをやったのって……」
─タービア城。
広場は、フィレナの予想よりも酷な風景になっていた。
「こ、これって……」
人と人が、戦っている。
武器を突きつけ、目を血走らせながら。
「一体、どうして……」
すると。
「おらああぁぁっ!」
見知らぬ大男が、いきなりフィレナに向かって剣を振りかぶってきた!
「ひっ!?」
「イース様、万ざぁぁぁぁい!」
フィレナに大男の剣が命中されようとした、次の瞬間……
ドスッ!
「ぐぎゃあ!?」
「え……?」
一本の矢が、大男の肩に深く突き刺さった!
「っぶねぇな……急所は外してっから、安心しーよ」
「アーサーさん……」
その矢は、アーサーのボウガンからの物だった。
アーサーの顔を見た途端、フィレナは一気に安心したように目から涙を溢した。
「ふえぇ~ん! 怖かったです~!」
「お、おい? なんだべ、突然」
もしかして自分が泣かしたんじゃないかと、少し戸惑うアーサー。
こういうのに慣れていない証拠だろう。
そんな事してる暇は無いと思うが、そこはご都合主義で。
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