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「アーサーさん! 音がした方向に急ぎましょう!」
「え? 雷が関係あんのか?」
「ミーナさんは雷の神術者なんです! だから、音を頼りにすれば……!」
「けんども、もしかしたら他の神術者かも知んねぇべ? フェイク・スキルかも分かんねえし……」
【フェイク・スキル】
人類が造り出した神術。
威力は本物の神術に遠く及ばないが、強弱の調節がし易い事から巷で流行っている代物。
見た目が綺麗なアクセサリーのようなので、お洒落にも流用されている。
誰が作って、誰が流通させたのかは不明。
「あう……で、でも、頼りは今の音しかありません! とにかく、行ってみましょう!」
「お、おう……」
不安要素は抜けきれないが、二人は音の響いた方向へ走り出した。
─玉座前の階段
「あれ……? 結構近づいたと思ったのに……」
「誰もいないべや」
音が聞こえた方向に向かって走ったは良いが、それっぽい人物は見当たらなかった。
それどころか、玉座に近づくにつれて人が少なくなっていったのが不可解。
「何処かで道を間違えたのかな……」
「いやでも、ここまで一本道だったべ?」
すると……
パリッ
「っ! フィレナ、伏せろ!」
「ふえ!?」ガッ
ドシャアン!
アーサーがフィレナの頭を押さえて地面に素早く伏せると、立っていた場所に雷が照射された!
「ミ……ミーナさん!?」
「あの娘が俺らを攻撃する訳ねぇべよ……」
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