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「おや……フェイクとは言え、雷撃を躱しましたか。やるじゃないですか」
「あ、貴方は……!?」
振り返ると、そこには細目でボサボサ髪の男が佇んでいた。
赤いコートを身に纏い、ポケットに手を突っ込みながら。
「どう見ても俺らの味方じゃねぇっぺな」
「恐らくは、そうですね……私はアイラ。反神術派に加勢している者です」
そして唐突に、自己紹介を始めた。
「なんだべや? 別に訊いてねえっぺよ」
「いえいえ。どうせここで死ぬのなら、冥土の土産にどうです?」チャッ
更に唐突に、アイラは長柄の槍を構えた!
どうやら、相手の戦う気は満々らしい。
「なっ!?」
「ちっ、やるしかねぇみてぇだ!」
殺られまいと、アーサーも槍を構えて戦闘体勢に入った!
フィレナは困惑しながら、確かにここで朽ちる訳にはいかないと剣を構える!
「ひ、人と戦うだなんて……」
「フィレナ、確かに抵抗はあるかも知んねえけんど、やらなきゃ殺られちまうっぺよ。決心せんね!」
「は、はい……!」
フィレナも、甘い事を言ってる場合では無いのは理解している。
返事はしたものの、まだ心に靄が掛かっているようだ。
すると……
「はあぁっ!」
「っ!?」ガキィン!
突如現れた少女が、アイラに向かって剣を振り下ろした!
アイラは咄嗟に反応し、ギリギリで防ぐ事に成功する。
防いでからすぐに振り払い、少女をフィレナらの場所へ退避させた!
その少女とは……
「ごめんね、遅くなっちゃった!」
「ミ、ミーナさん!」
剣を持って本気モードになったミーナだった。
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