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「おい。起きろよ。竜也。何時だとおもってんだ。」
「良いだろうが。別に。
もう少し寝ていたいんだよ。」
「はぁ…じゃあご自由に。」
明は、ため息をつきながら一階に降りた。
「どう?竜也は起きた?」
「起きないよ。
ダメだよ。アイツはテコでも起きないわ。
母さんが起こしてよ。」
「じゃあ、適当にほっときましょ。」
「まぁ、遅刻あんまり重ねなきゃ退学にはならないから大丈夫だろ。」
「竜也は、常習犯よ。まぁ、でもまだ学校入学したばっかりだしなんとかなるわよ。」
「それは、常習犯とは違うぞ。」
「中学からそうなんだから常習犯よ。」
「一応、納得。」
「一応じゃないの。私の言うことに間違えはないのよ。」
「どっから出てくるんだよ。
その自信は。」
「それより、学校あるんじゃないの?」
「おっと。いけねぇ。」
ものすごい大きな音をたてながら竜也が起きてきた。
「なんでもっと早く起こしてくれなかったんだよ!」
「起こしたよ。
でも、起きなかったのはお前だろ。」
「しらねぇよ。
叩き起こすくらいの覚悟で起こせよ。」
「学校遅刻したらお前のせいだからな。」
「しらねぇよ。まぁ、こっちとら部活ねぇからこんなにゆっくりしてるけどさ。お前をキチンと起こしてる余裕はないな。」
「ふざけんな。余裕があるなら良いじゃんかよ。」
「コラ!いつまで喧嘩してるんだ!竜也が1人で起きられないのが悪い!」
「なんなんだよ。たく!」
竜也は急いで学校に向かった。
「本当にしょうがないコだよ。」
「母さんもそこまでにしようよ。
俺もそろそろ行くからさ。」
「はい。お弁当。じゃあ、気をつけて行くんだよ。」
「はいよ~。
じゃあ、行ってきます。
それと今日はバイトだから。」
「あのコもそういうのは早く言ってもらいたいもんだよ。」
こういう日々が毎日続き明は就職先が見つかり卒業式を迎えた。
そして明は、社会人になった。
研修員として自動車の部品工場に就いた。
それから、数ヶ月経った。
ある日、一本の電話が着た。
「そちらは、村木さんのお宅でしょうか?」
「はい。そうです。すみませんがどちらさまでしょうか。」
「申し訳ございません。龍泉病院の神崎と言うものです。
お宅の息子さんの村木明様が私の病院に搬送されて息を引き取られました。」
母は、子機を力が抜けたかのように落としてものすごい勢いで病院へ向かった。
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