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病院のある部屋だけヤケに人が多かった。
聞いたら、兄貴の会社の工場長や課長や兄貴に関わってた人たちがいた。
母は、
「明!明!」
と何度も呼びかけた。
でも、兄貴から返事は帰ってこなかった。
「明!明!
いつものように笑ってよ。
明!明!」
母は、明の死体に何いってもわかるわけないのを分かっているのに何度も呼びかけたり話しかけた。
竜也も明に触った。
「冷たい…」
竜也は、震え始めた。
竜也は思った。
「なんでだよ…何死んでんだよ。
アンタの口グセはガキみたいに無敵だの不死身だの言ってたろ!
何死んでんだよ!ふざけるなよ!
母さんが泣いてんじゃねぇか!
笑顔を見るのが生きがいとか言ってるやつが誰か泣かすようなマネしてるんじゃねぇよ!
お願いだよ!
起きてくれよ!
目を開けろよ!
本当に言いたかった事まだ言ってねぇんだよ!
最高の兄貴だって言ってねぇんだよ!
頼む…頼むよ…。」
竜也はそう言いながら泣き始めた。
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