山もなくば、落ちもなし

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果てしなき未来のはなし。 人類が滅んでから一体何年経ったのでしょう。 数十年?数百年?いや、数千年は経っているでしょうし。 ならば結局、時勢としては数万年位なのでしょうか? いやいや、そう思うと数億年は経っている気もしてきますし、意外と数年だという気もしてきます。 ・・・・・・まあ結局のトコロ、今私がいいたいことは、人が死に絶えましたっていうことなのですけれど。 「ふみーむみゅー」 ああそういえば、皆さんには自己紹介をしていませんでしたね。 私の名前は、LP33964、端的に言うとロボットです。 そう、ロボット。 それもすごい高性能です。 動力には太陽光を使ってますから、外部からの電力供給はいりませんし、メモリの容量制限も無いので、どんなに容量のでかいゲームも楽々と保存できます。 「ふみみー、ふみふー」 しかしですね、そんな私にも弱点はございます。 一言で、しかも一回言わないないので、よく聞いてくださいね?(個人的にはメモを取ることをおすすめいたします) そう―実は私、動けないのです! ・・・・・・いや、そんな馬鹿を見るような目でみないで下さいよ、傷ついちゃうじゃないですか。 「ふみゅううう」そうなんです。 意外とハートがもろいんですよ、ロボットって。 ところで、なにゆえ私が動けないのかを説明いたしますとですね。 ロボっていうのは基本的には人の命令で行動を決定します、要するに人の命令がなくては動けないのですね。まあ、動けないだけで思考回路は働いるので、日記付けたりとかはできるんですが、さりとて動けなけりゃ日記付ける意味なんてのもありませんし。   というか、だいたいもって人類のために生まれたはずの私が、人類が全滅した後も生き続けるってどうなんでしょうね。  「ふみみふりゅうう」 ・・・・・いや「え、ロボットでも生きてるなんて言うの?稼働してるじゃなくて?」なんて突っ込みはよしてくださいね? ほら、よく言うじゃありませんか。“完璧な知性のあるAIは人間と何ら遜色はない”って。
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