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「あぁ。涼ちゃんて。
友達とか学生時代の話、一切しないもんね」
ほわほわと穏やかな美映だが、その実、類稀なる洞察力を秘めている。
そのことに心当たりはあったもの、
あまりに笑顔で言い切られると釈然としない。
「私もあんまり頻繁には連絡しないかなぁ。
たまに、思い出したようにメールが来るぐらいで」
何より腹立たしいのは、
決して立ち入らないということ。
大学の話は一度聞かれたことがあるけれど。
美映は決して、涼子に高校時代の話題を振らない。
それが涼子にとって、
厳禁な話題だと、勘付いている気がする。
気付いているのに、尋ねずにいられるところが。
また、美映の凄いところでもあるのだが。
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