不撓不屈

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****************** 「一緒に暮らそう」 言いたくて、でもずっと言えなかった。 こんな機会に乗じるのは、 反則かもしれないが、 チャンスを逃すのは愚か者のすること。 『バカでアホでビビリでヘタレ』とは 言われ、それに『草男』も足されたが、 ここに『愚か者』は羅列させない。 「……うん」 ぶつけた額から、涼子の温度を感じる。 それは、多分いつもより少し高めで。 ほのかに染まる頬が愛おしい。 右手で傘を差したまま、 片手で涼子を抱き締め、キスをした。 あらゆる場所に、触れられるところに。 誰かが見ているかもしれないが、 そんなことはどうでも良かった。 元々、龍平はシャイじゃない。 涼子さえOKしてくれれば、 人前での愛情表現に遠慮はしないのだ。 むしろ。 見せ付けたい意識が強かったりする。
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