不撓不屈

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夜道にドスンと重く鈍い音が響いた。 倒れ込んだ人影が呻き、 刃物はその手を離れ数m先に転がった。 それは、小さな果物ナイフのようで、 かなり軽い音を立てて水溜りに沈んだ。 その瞬間、暗闇から足音が響き渡る。 確認した人影は、よく知っているもの。 龍平が、最も信頼する男のものだ。 もちろんシルエットだけでも十分だが、 焚かれたフラッシュのおかげで、 その横顔も確認できた。 無言で倒れた人影に走り寄った勝は、 立ち上がりかけた人影を蹴り上げた。 アゴにヒットしたのだろう。 鋭い蹴りに成すすべもなく、 人影は再度倒れこんだ。 人影をあっという間にひっくり返して、 勝が背中に跨り、後ろ手を確保する。 そこに、別の人影が走り寄ってきた。
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