知己朋友

8/19
前へ
/770ページ
次へ
「いいわよ、別に。  ケーキと紅茶が付くなら、どこだっていいわ」 「せっかくのお休みだったのに」 「私は休みでも、龍平は仕事だもの。  何が出来る訳じゃないし。  プライベートで会うような友達も、思えばいないのよね」 そうなのだ。 携帯のメモリを見ても、仕事関係のフォルダばかり。 友人のフォルダには、苦肉の策で同期が登録してある。 「大学時代の友だちは?」 「いないことはないけれど。って感じ。  だれそれが結婚したとか、同窓会の連絡が回ってくるくらいのものよ」 もともと筆まめでない涼子である。 友人のメールフォルダには、美映とのやり取りしか残っていない。
/770ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1633人が本棚に入れています
本棚に追加