1637人が本棚に入れています
本棚に追加
「だからって、おま……」
もう、言葉になりそうもない。
「……もう、いい」
投げやりに裕一郎が呟くと、
支えている腕の中でビクリと跳ねる体。
それから固まるのは、なんでだ?
あんなに騒がしかった場が、
急に静まり返る。
どうやら、裕一郎の出方を、
みんなが待っているらしかった。
「ありさ」
名前を呼ぶと、渋々顔が上がる。
いや、違う。
このしぐさは『恐々』だ。
「その……悪かったよ」
あんなに強気だったくせに。
怒ってないか、嫌われてないか。
怯えるほど気になるわけ?
何カワイイこと、
してくれちゃってんだよ。
ベタ惚れだって、痛感するじゃん。
最初のコメントを投稿しよう!