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リサの心にポッカリと大きな穴が開いた。リサの悲しみはなかなか消えなかった。3年の間、リサの涙が乾くことはなかった。3年経って、リサはやっと自分の気持ちを奮い立たせようとした。そして、友達に紹介された商社マンと結婚をした。その男性は誠実で、リサの事を心から愛してくれた。それはそれで、とても幸せな日々だった。
ある日、リサは彩乃と例の喫茶店にいた。
「リサ、まだ子供作らないの?」
そう言う彩乃のお腹はかなり大きくなっていた。彩乃の隣に座っていた女の子が、
「お母ちゃん、オシッコ…」
彩乃は慌てて、
「リサ、ちょっとゴメンネ」
そう言うと、
「漏らしちゃダメよ。ガマンするんだよ」
そう言いながら、娘の手を引いてトイレに向かった。
彩乃がトイレから帰って来ると、リサは、
「彩乃は偉いよ。ちゃんと立派にお母さんしてるもん」
そう言って彩乃の生き様に感心した。彩乃は、
「そんなことないわよ。旦那が避妊してくれないから、すぐにできちゃったのよ」
そう言って笑った。
「彩乃は変わらないわね。うらやましいわ。」
「何言ってるのよ。リサだってまだ、これからじゃないの」
そう言いながら彩乃はチョコレートパフェをほおばった。
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