修吾

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少年の名前は航平と言った。スタッフの話だと、病名は膀胱癌で、既に脳にも転移しているらしい。余命半年ということだった。母親は週末会いに来るが、父親とは離婚しているため、父親は来なかった。普段は担当の介護士が彼の身の回りの世話をしていた。リサは介護士を通じて、母親にボランティアの許可を取った。 リサにはある思いがあった。今まで、修吾にばかり助けられていた。だから、今度は自分が修吾のために何かをしたかった。リサは夫にもボランティアの許可を取り、積極的に動いた。リサがまず考えたのは、航平が母親との連絡用に持っていた携帯を使ってメル友になることだった。リサは航平とアドレスを交換した。そして、リサは仕事や家事の合間にメールをした。 [私は今、洗濯を終えたところです。航平君はどうしてますか?また、海を見ているのかな?] すると、暫くして彼から返信があった。 [今、絵を描いています。図鑑にある犬の写真を見て描いています] [私も昔、犬を飼っていました。写メ送ります。見て下さいね] [僕が描いた犬と同じ種類です。僕が描いた絵の写メを送ります。ヘタだけど、見て下さい]
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